第3回「科学・技術とヒューマニティ」開催のご案内と参加者募集
2016年02月22日
～科学・技術的社会の中での意思決定に関心のある方々のために～
2014 年から始まりました「科学・技術とヒューマニティ」セミナーは、参加者の皆様の好評を博し、2016 年初夏に第３回を開催することになりました。
今回は、懇話会のテーマとして「医療と現代社会」を取り上げ、昨年度とはまた一味違うセミナーとなっております。
しかしながら、今回のセミナーは医療にのみ重点をおいているのではありません。皆様のご専門にこだわらず、広く「科学・技術」に関心のある方々を本セミナーは対象としております。ぜひともご参加をご検討下さいますようお願い申し上げます。
テキスト編纂・セミナー構成
村上陽一郎先生
東京大学名誉教授（科学史家、科学哲学者）、
一般社団法人日本アスペン研究所副理事長
【開催日】
2016 年 5 月 20 日（金）～5 月 22 日（日）
【会 場】
クロス・ウェーブ府中
【第３回の展望】
医療技術の進歩は、一方で長寿社会を生み出し、疾病や事故によって、理不尽に寿命を全うできない嘆きを減らしてきた。しかし、世界に希な優れた社会保障制度としての健康保険制度を維持してきた日本社会も、医療の成功自身が、医療費の高騰を招き、健康保険制度の存続さえ危ぶまれる事態を迎えている。先進圏では、近代社会の至高の価値として尊重されてきた「人命」の維持、存続を、条件付きではあるが、否定しようとする決断が広がり始めてもいる。他方、国際的に見れば、先進圏では克服されたはずの結核などの感染症で、多数の生命が失われる社会は、まだまだ数多く、人類としての公正をどのように保証すべきか、という問題も見逃せない。現代社会における医療の実態を把握すると同時に、その背後にある「人間観」のあるべき姿を、古典から学ぶ機会としたい。 （村上 陽一郎 先生 記）
【対 象】
企業、行政、NPO など広い分野から、役員・管理職・次世代のリーダー候補の参加者を募ります。ただし対話という性質上、原則 20 名とさせていただきます。
【懇話会の実施】
本セミナーでは、著名な識者をお招きする懇話会を２回を実施いたします。
懇話会 I
講演者：広井 良典 氏 （千葉大学法政経学部総合政策学科教授）
講演題目： 持続可能な医療への視点
要旨： 医療は医学・生命科学をベースとする「サイエンス」としての側面をもつと同時に、人への「ケア」という側面をもった多元的な営みである。一方、日本社会が人口減少時代に移行することと並行して、高齢化の進展の中で医療費は着実に増加しており、そこには医療保険制度や社会保障など社会システムとも深く関わる課題群が存在している。そうした医療のこれからを考えていく基本的な観点として、ここでは「持続可能な医療 sustainable health care」というコンセプトを立て、幅広い角度から今後の展望について考えてみたい。 （広井 良典 氏 記）
懇話会 Ⅱ
講演者：三井 美奈 氏 （読売新聞記者）
講演題目： よき死とは
要旨： 「苦しまずに安らかに逝きたい」「不治の病なら、いっそ最後の時は自分で決めたい」と思う人は多いかと思います。では、そのためには何が必要でしょうか。欧州では 2002 年にオランダが法律で安楽死を認めて以来、医師や患者、遺族たちの間で「だれが死の時を決めるのか」という論議が高まっています。各国でそれぞれの文化、歴史に添った法制定が進みました。欧州の葛藤を通じて、高齢化大国・日本の「よき死」について考えます。 （三井 美奈 氏 記）
※ 参加ご希望の方は、下記リンク＜セミナーお申し込みはこちら＞より
2016 年 3 月 14 日（月）までにお申込み下さい。原則定員 20 名とさせていただきます。
参加の可否につきましては、申込み締切後にご連絡致します。
※ 本ご案内は、会員企業と過去のアスペン・セミナー参加者の皆さまにお送りしておりますが、
どなたでもご応募いただけます。
※ 万が一お申込み多数の場合は、会員企業からの派遣を優先させていただきます。
※ また、同一企業からのご参加は、人数を制限させていただく場合がございます。
詳しくは日本アスペン研究所セミナー事務局に、できればメールにてお問い合わせください。
一般社団法人日本アスペン研究所（三村）
〒106-0032 東京都港区六本木6-15-21 ハークス六本木ビル２階
E-mail： mimura@aspeninstitute.jp
TEL： 03-6438-9208、FAX： 03-3405-1668