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懇話会短信~『問われる民主主義と言論の役割』 言論NPO代表 工藤泰志氏による会員限定懇話会を開催~

2017年03月06日

第12回「アスペン・フェローズ」会員限定プログラムが3月2日木曜日、富士ゼロックス総合教育研究所セミナールームで開催され、およそ40名の会員が参加されました。

講師は、東洋経済新報社で『金融ビジネス』や『論争東洋経済』の編集長を歴任後、日本の主要課題に対して建設的な議論や対案を提案できる新しい言論の舞台をつくろうと2001年に認定NPO法人言論NPOを設立した工藤泰志氏。

テーマは「問われる民主主義と言論の役割」。ポピュリズムが台頭し、戦後世界が築いてきた自由と民主主義の規範が崩れようとしている背景には、課題に向かわない民主主義の脆弱性がある――。15年前に「強い民主主義」「問題解決に向けた議論形成」をミッションに掲げ、小林陽太郎氏の協力の下に誕生した言論NPO。その新しい挑戦を熱く語られました。

参加した高校3年生のアスペン・ジュニア・セミナー卒業生(特別会員)が寄せてくれた感想を以下に紹介します。

「課題解決に向かう世論こそが強い民主主義を作り出す」――。何回も強調されていたこの言葉に、大変感銘を受けました。

民間レベルで様々な課題解決を図り、その様子を国民に示すことで世論を動かす。その世論を政府に提供することで、国の政治を国民の求める方向へ動かしていく。実利主義に走る日本の政治の現状に対して、国民の「健全な民主主義」を育てようとされている活動は素晴らしいものだと感じました。

私は今まで18年という短い期間ですが、日本の民主主義的な政治の限界を感じずにはいられませんでした。昨今の選挙において50%前後を推移する低い投票率でそれが民意とされてしまう現状、政治家が演説で語った政策の実行に対する不透明さ。そのような日本のある意味「不健全な民主主義」に不安を感じていました。

そのような中で、言論NPOの活動は日本の民主主義のあり方を大きく変える可能性を存分に持っていると感じました。有識者や専門家というような私たち一般国民にとり遠い存在の中だけで話し合いを留めるのではなく、それをパブリックに公開することで私たちは当事者意識を覚え、社会に対し有効な世論を形成していくのだろうと思います。これこそが投票率の向上、言い換えれば国民の政治に対する意識の向上や、政治家自身の政策実行に対する本気度の向上に繋がると私は考えます。

私の政治、そして民主主義に対する知見、意識を変えて下さった、私にとって貴重な経験となった懇話会でした。ありがとうございました。(一部省略)