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日本アスペン研究所創立20周年記念シンポジウムを開催しました

2018年10月23日

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2018年10月16日(火)、「未来をつくる『理念と価値に基づくリーダーシップ』-新産業革命とヒューマニティ」と題し、日本アスペン研究所創立20周年記念シンポジウムをホテルニューオータニにて開催いたしました。当研究所の会員企業・団体の皆様やセミナー運営に携わる先生方など、日頃アスペンを支援してくださっている方々に加え、当研究所の活動に関心をお持ちの皆様もお招きし、約250名の方々に参加いただきました。シンポジウム終了後の懇親ディナーにも、およそ200名の皆様に参加いただきました。

シンポジウムでは冒頭、北山禎介理事長よりご挨拶し、日本アスペン研究所の設立の経緯を紹介した後、なぜ今、リベラルアーツが注目をされているのか、これから求められるリーダーシップは何かについて触れつつ、シンポジウム全体の流れを紹介しました。

続いて、副理事長を務める東京大学 名誉教授 村上陽一郎先生による基調講演「アスペン精神をどう継承するか」を行いました。村上先生は、瑣末主義や専門主義の弊を脱するという目的のためにアスペン精神や方法論が綿々と継承されていることに触れ、また、これからの時代の新しい価値として「寛容さ」が求められるのではないか、との問題提起をされました。

パネル・ディスカッションでは、パネリストに猪木武徳先生(大阪大学 名誉教授、日本アスペン研究所 理事)、隅修三氏(東京海上ホールディングス株式会社 代表取締役会長、日本アスペン研究所 諮問委員)、橋本孝之氏(日本アイ・ビー・エム株式会社 名誉相談役、日本アスペン研究所 理事)、山口裕視氏(三井物産株式会社 執行役員、株式会社三井物産戦略研究所 代表取締役社長、日本アスペン研究所 理事)、モデレーターに髙橋文郎先生(青山学院大学大学院 国際マネジメント研究科 教授)を迎え、「変貌する社会における経営とリーダーシップのあり方」をテーマに意見を交わしました。

急速な技術変化とデモクラシーの浸透の中で、人々の紐帯が断ち切られ、知性が断片化され、効率的・合理的なもののみが優先される状況や、その中で広がる格差や分断にどう対応し、どうやって相克を乗り越えていくべきか、その中で必要なリーダーシップの要件は何か、といったことをめぐり、議論が展開されました。

締めくくりに、伊東健常務理事より「日本アスペン研究所の活動と今後の展開」についてご説明し、日本アスペンが提供するセミナーの概要や目指す人材像などが紹介されました。
これまで日本アスペン研究所の活動を知らなかった参加者の皆様からは、「設立の精神や大切にしている価値観がよく分かった」という声や、「世界で対立が激化している中、寛容や対話、共通基盤としての古典の重要性などの指摘に感銘を受けた」「アスペン研究所の強い意志を感じた」といったご感想が寄せられています。

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懇親ディナーでは、株式会社野村総合研究所 代表取締役社長 此本臣吾氏にご来賓のご挨拶をいただき、私たちは知らず知らずのうちにデジタル化のダークサイドに晒されており、それらに対する洞察を深めるためにはアスペン・セミナーは絶好の機会である、とのお話をいただきました。乾杯の挨拶に立った当研究所 副理事長を務める大原謙一郎氏(公益財団法人大原美術館 名誉館長)は、ご自身のビジネスや美術館館長としてのお仕事を振り返りつつ、日本には文化・芸術・人文学の復権が求められており、日本アスペンがその先頭となって活躍することを期待すると述べられました。また、米国アスペン研究所の理事長兼CEOダニエル・ポーターフィールド氏からのビデオによるお祝いメッセージも皆様に紹介されました。

その後のディナーでは、アスペンをすでによく知っている方もそうでない方も同じテーブルを囲み、和やかな懇談とともに、アスペン・セミナーの様子や魅力についても、活発な情報交換が繰り広げられました。最後に閉会の挨拶でご登壇された日本アスペン理事の関根清三先生(東京大学 名誉教授)はアスペン・セミナーの魅力を、「リーダーが味わう喜びと背負う困難を、コンパクトに体験できるひとつのひな型である」とし、実際にセミナーで使われる古典のテキストを引用しながら、セミナー参加者が味わう驚きと感動をありありと再現されました。

アスペン・セミナーをより多くのリーダーの方々にお届けし、一層の社会貢献を果たせるよう、当研究所一同、引き続き努力してまいります。今後とも変わらぬご支援のほどお願い申し上げます。