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アスペン・ジュニア・セミナー Day 1を開催

2019年11月27日

11月24日(日)、アスペン・ジュニア・セミナーDay 1が、東洋大学京北高校の校舎をお借りして開催されました。
23校からの高校二年生63名の参加者が3つのチームに分かれて、村上陽一郎先生、関根清三先生、荻野弘之先生をはじめとする先生方のリードのもとで、古典と対話に取り組みました。

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この日、取り上げた古典は、芭蕉の「おくのほそ道」とアリストテレスの「形而上学」。
「おくのほそ道」は、学校の授業で読んだことがある参加者も少なくありませんでしたが、アスペン・セミナーでは少し様子が異なります。古語の意味や文法などには一切触れず、俳句のリズムや音を楽しみ、江戸時代の人情を味わい、芭蕉の心の動きに思いを馳せます。チームメイトからの思いもしなかった指摘にはっと息をのみ、多様な理解の仕方に視野を広げる。そんな光景が展開されました。

「形而上学」では、アリストテレスによって展開される、知の体系に取り組みました。
「技術」「経験」「認識」「娯楽」「知恵」など普段使っている言葉にも、現代とは異なる独特の意味合いが込められていて、一筋縄では理解は進みません。初めて接するギリシア古典にとまどう参加者も多かったようですが、それでも果敢に取り組みました。実際的効用をねらっていない認識こそいっそう多くの知恵がある、という指摘にたくさんの疑問符を浮かべながらも、アリストテレスはなぜそう考えたのか、と想像力をたくましくして、著者との、そして他の参加者との対話を続けます。
「そうか、そういうことだったのか!」対話を通して得た深い理解は、講義を通して受け身で得た理解とは、質的に全く異なります。そんな実感を少しでもつかんで、来月のDay2に臨んでほしいと思いました。