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アスペン・ジュニア・セミナー、ついに最終日!

2020年01月22日

本年度のアスペン・ジュニア・セミナーもいよいよ大詰めを迎え、1月19日(日)に最終日Day3が、東洋大学京北高校で開催されました。
最終日に取り組んだテキストは、オルテガの「大衆の反逆」と森鴎外の「かのように」。

dummyセッション6「かのように」に取り組むCチーム

1930年という戦間期。欧州諸国では、大衆が経済のみならず、政治的にも力を持つようになります。スペインの思想家オルテガは、その大衆社会に強い危機を感じていました。オルテガの言う「大衆」や「少数者」とはどういう人々なのか。大衆が力を持つことがどのような問題を引き起こすのか。そして、私たち自身は、大衆なのか、少数者なのか。民主主義が大きくブレ始めている現代にそのまま当てはまる切実な問題に、多くの気づきがありました。

「かのように」は、森鴎外による思想小説。合理主義が浸透するなかで、神話はおろか、自由や義務などの倫理のよりどころすら信じられなくなったとき、私たちはどのような思想のもとに生きるべきなのか。参加者の皆さんは、小説の形をとりながらもかなり込み入った思想の絡み合いを丁寧に読み進めました。

3チーム合同クロージング・セッション

クロージングセッションでは、3チームそれぞれから男女2名の代表者が感想を述べました。古典が現代にも通じる重要なメッセージを発していること、対話が理解や考えを深めるために役立つだけでなくそれ自体が楽しいものであることなど、かなりの手ごたえを感じていただけたようです。
そして、セミナーの何よりの収穫は、「古典」と「チームの友人たち」との出会いです。これをきっかけに、これら二つの「新しい友人」との交流と対話を続け、人生を豊かにしていってほしいと、セミナー関係者一同、切に願っています。