2023年02月09日
当研究所諮問委員でモデレーターの渋谷治美先生が、ご著書『カントと実現――人間讃歌とそのゆくえ』で第三十五回和辻哲郎文化賞(学術部門)を受賞されました。
渋谷先生は受賞の言葉として、以下の三つの理由を挙げてこの受賞を喜ばれています。
『第一に、和辻哲郎博士は学問のうえで私にとって曾お爺さんに当たるからです。つまり、私の恩師の恩師の恩師が和辻先生なのです。第二に、修士論文に取り組んで以来50年に亘るカント研究の総決算である本書が、随所でこれまでのカント解釈に異を唱える内容であるにも拘わらず、学術の世界において暖かく迎え入れて頂けたことです。第三に、かつてないほどの緊迫感を伴って人類の存続が問われる今日、『永遠平和論』で有名なカントの「人間讃歌」思想が、受賞を機に、人類の「ゆくえ」にまで思いを巡らせながら、改めて省みられるかもしれないと期待されるからです。』
研究所関係者一同、ご受賞を心よりお喜び申し上げます。